どきどきにやにや

二次元でもなんでもイケメンにどきにやしたい女です

だけど私は、雨が好きだ。──レイニートレイン ネタバレ感想

site name:AOL

url:http://aolgame.web.fc2.com/

game title:レイニートレイン

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≪ざっくりあらすじ≫

梅雨入りし、来る日も来る日も天気は雨。

湿気で髪はクセが出るし、洗濯ものだって全然乾かない。

それでも私は雨の日が好き。雨の日には名前も知らない、彼がいるから。

 

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タイトル通り、雨の日の電車の話がメインに描かれています。

タイトル画面にいるこの少女が私ちゃんです。

今作には名前変換のシステムがなく(作者のAOL様いわく雨の日の彼が全然名前を呼ばなかったからだとか)、本編視点は私の一人称のみ。

彼と私の共通点は雨の日に電車の同じ車両に乗っていること、そして恋愛小説作家・梅雨晴子の電車の彼を読んでいること。

私は梅雨晴子のファンであり、梅雨晴子の本を読んでいる見目麗しい彼のことを気になっている状態からお話はスタートします。

 

電車の彼の主人公は車内の席に座らないことをポリシーとして持っており、それを模倣するかのごとくガラガラであっても必ず立っている彼のことを私は可愛いなと思っています。

確かにこれは可愛いですね!自身が好きな小説の真似をする定期的に見ることができる人物がいれば例えその相手が異性じゃなくても、ましてや容姿が整っていなくても気になるものではあると思います。

私が彼のことを気にしている理由が、私の嗜好を基にして作られているのでこれはいいなと思いました。

例えばイケメンいる!気になる!よりも、もっと深く興味があるように感じることができました。

いや上記の文章だけでは語弊が生じますね。

リアルで赤の他人を気になるパターンでは容姿が整っているだとか雰囲気が好みだとか

 主に見た目が理由になっていると思うので私は全然アリなんですが、今作は一周三十分の短編ゲームなのです。

やはり短編ゲームでは人物一人一人の細やかな掘り下げが難しいと思います。

ですが会話もまだ交わしていない段階で「梅雨晴子の電車の彼が好き」「好きな小説に影響を受けて行動をとるロマンチストの気がある」と彼のことが二点もわかるので、とても良い好感をもつ理由付けになっていると思います。

 

とあるキッカケにより、初めて会話を交わす二人。

 

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これは会話を交わす前に私が盗み見ている彼の様子です。

黒髪で微笑みながら読書する姿には爽やかさと知性と人の良さを感じることが出来ますね。

妄想癖のある私は「ガリガリくんの当たりはどれくらいの確率なのか?や、同じクラスの女子の夏用スカートの丈が短いだとかで騒がしい男子高校生とは違い、スタバではなく住宅街でひっそりと経営されている喫茶店に人知れず通っており、寡黙なマスターにも可愛がられ若いながらにアメリカンが好きなとても大人っぽくて自身が通っている個別教室でバイトしている女子大生と隠れてつきあってるタイプの高校生」とまで考えることができます。多分洋菓子より和菓子が好き。水ようかんとか、かすてらが好き。

 

だがしかし、実際の彼は……

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せ、せ、せ、赤面系男子ーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

見てくださいこのしどろもどろ感。アメリカンが好きな彼なんて私の中では崩れ落ちました。きっと甘いミルクコーヒーが好きだし、ロイヤルミルクティーも好きそうだし、ていうか牛乳が好き。

可愛い可愛い可愛い……。こんなにりんごほっぺが可愛い男子高校生がいますか?

見るからにピュア。絶対つきあったら幸せにしてくれそう感。私の見る目ありすぎて怖いです。

 

この接触を機に二人は雨の日の登校の際には毎回コミュニケーションをとることになるのです。

 

私も彼もお互い敬語で喋り、終始穏やかで良いムードが流れています。

プレイヤー自身の私がもし同じ車両に乗り込んでいたら微笑ましいと同時に羨望が過ぎていっそ妬みに発展しそうなくらいに青春の香りです。シーブリーズやカルピスとかのCMにそのままぶちこめそうです。

 

お話が進むことにより、問題が生じて一気に二人の関係は展開されていきます。

全体を通して、まるで少女漫画のようなお話です。

乙女ゲーをやる人だったらこの雰囲気が嫌いだったり苦手な人は少ないんじゃないでしょうか?

そんな可愛らしいゲームでした。

 

お話や私と彼のキャラもとても良かったのですが、今作一番良かった点はBGMのチョイスではないでしょうか。

梅雨時期の恋物語がテーマなので頻繁に雨音が流れるのですが、それを不快に思わせないようBGMが素晴らしい働きをしてくれています。音楽って本当に大事なんだなぁと思わされました。

 

是非穏やかな恋物語をお求めの方にはプレイしていただきたい。

 

以下、ネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

私、雨くんは天然たらしだと思うの。

基本どもっていて赤面していて見るからに気弱そうな彼ですが、ところどころ私への好意を口から漏らします。

例:この電車に乗らないとあなたに会えないじゃないですか

例:休日に私の最寄り駅まで行き、偶然会おうとする。またその思考を私に伝える

 

いや、絶対こんなん好きじゃん!!

てかこんなん雨くんにされたら100好きになるじゃん!!!!!!!

 

だがしかし、私は臆病(言い変えたら自分に自信がない)なので雨くんの好意に気づきながらも一歩踏み込めません。

なんだったら途中参加してくる彼の兄弟を彼女だと勘違いし、八つ当たりする始末。

まぁ「もしかしてこの人私のこと……」と思っている相手に彼女がいるかもしれない可能性が見えたら本当に萎えますよね。八つ当たりどころかキレたくなる気持ちもわかります。だからこそ事実確認が大事なんですねー。

 

そこから私が彼を避けてすれ違う日々が続きます。

そしてそんなある日、例の彼の兄弟が私の前に現れて、私の彼に対する思いはいかほどのものなのか試すのです。

ここで私の返答次第でエンド分岐します。

ハッピーエンドルートでは後日彼が私に会いにきて丸く収まります。

告白しようとする私の口を手で塞ぎ「そういうのは俺から言うし、そもそももっと段階踏んでから……!!」とまさかの告白中断。

ここまできたらもうつきあえよ!!!!と思いましたが、ここからもっと距離を詰めてようやく交際に至るのかと考えたら二人らしいなぁとにやけました。

二人にはゆっくりと、でも着実に思いを深めていってほしいものです。

あと大人し系男子の雨くんの意外な男らしい思考回路に人知れず萌えました。ほんと、かわいい……。

 

オマケの小話では彼の兄弟視点が二つもあり、身内目線で彼のことを掘り下げてくれます。

そのお話を読んで作者様は本当に愛をこめてこのキャラクターたちを作られたんだなと感じました。

四つの小話があり、後日談やら本編前のお話やらを読むことができますが個人的には二人が敬語をとる瞬間のお話を読んでみたかったです。すごく気になる……。