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ずっと、ずっと大好きです──架谷野家の薔薇薔薇ネタバレ感想

site name:いさら座

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game title:架谷野家の薔薇薔薇

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≪ざっくりあらすじ≫

ヒロインの家は現代日本では物珍しい(!?)吸血鬼ハンター。眼帯チャラ男風長男・阿賀太。冷静でしっかり者次男霧秋。お人形のように可愛いロリママ・十里亜。個性的な家族全員が今は亡き父親を殺した吸血鬼をこの手で殺すために他の吸血鬼をハントしながら追い求めており、それが当たり前の日常となっているのだがヒロインはそれに関し色々思うことがあって……。

一方アメリカには心優しきテンプレ吸血鬼・ローズと高速フリック入力魔女・ボニカ、そして針金パール製犬耳の狼男・ルルが屋敷で三人暮らしをしており、吸血鬼を明言しながらも穏やかなご近所づきあいをしているローズには一つの悩みがあった。「最近血を吸えていない……」ご近所さんに血を援助してもらい補給していたが最近めっきり援助の手が滞っていてトマトジュース生活を強いられている。困っているローズにルルは提案をする。「俺の祖国・日本に行きませんか?日本では吸血鬼ブームきてるんで余裕で血もらえると思いますし、もうすぐハロウィンあるんでその日に行けば目立つこともないですよ」その言葉にのったローズは二人を連れて日本に向かうのだった。

 

ざっくりなのに長文とはこれいかに。

 

あるEDではプリキュアアイカツなどのワードが出てきたり、ルルがローズを日本に誘うときに日本では吸血鬼が流行っていて、女性なんて吸血行為に夢見てるんですよ!と言いうっかりDIABOLIK LOVERSを思い出してしまったりとメタい部分が何か所かあります。

そして基本はコメディなのにバッドエンドはグロイって感じのお話です。

最初はキャラ通しがワイワイしているのに段々と謎が増えてきて最終的には結構なシリアスな展開を見せます。

 

絵綺麗だしサイトのあらすじ読んでこのノリ嫌いじゃないけど、正直吸血鬼とかファンタジー興味ないしなぁ、どうすっかなぁと思いながらもキャラ一覧を見て速攻でDL。

何故なら長男の阿賀太がタイプだったから!!!!!!!!!

 

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このチャラい見た目堪らないです。しかもキャラ紹介に書かれていた阿賀太のセリフが「羽ばたけ鞠愛! ぶっ飛べ鞠愛! 架谷野家の茨をぶっちぎるんだーッ!」(鞠愛はヒロインの名前で変換有)で確実にぶっ飛んでるのはお兄ちゃんなんだろうな……とワクワクしちゃったんです。チャラくてクレイジーなキャラ好きなんです……ほら、IWGPのキングとか……。

 

まぁ、阿賀太は攻略対象じゃないんですがね……。

 

攻略対象はローズとルルのみですが、恋愛濃度は結構薄めです。

 

 

以下、ネタバレ感想。

 

 

 

 

 

事前情報としてバッドエンドがグロイということは知っていたのでモンスター側を警戒しながら読み進めたのですが、怖いのは架谷野家でしたね!!!!!特にママと阿賀太。

ED1~5見ないと真相ED見れないのでルルがヒロイン以外の架谷野家全員を殺そうとしたことも、霧秋がヒロインを階段から突き落としたことも、阿賀太が片目の理由も、架谷野家が異常な原因も何一つわからないのでわけのわからない恐怖というものがありました。

結局、架谷野家がハントしてきた『吸血鬼』は吸血鬼じゃなくて、でも『吸血鬼』を吸血鬼だと思わないとやってられない理由がちゃんとあって第三者からしたら理不尽で狂っていると思っても、そうしなきゃママも阿賀太も自分の精神を宥められないから悲しい。

 

一番怖かったママと阿賀太が真相を知れば一番可哀想で悲しい。でもきっと二人は可哀想なんて思われたくないくらい、『吸血鬼』を殺すことが正義だと思っている。

ヒロインが悪いわけじゃないけど、でもママと阿賀太が狂ってしまう原因になってしまったのは紛れもない事実で、だけどそれが正解じゃなかったとしてもあの時に出来うる善作ではあったと思う。狂ってしまった今では父親が死んだときに真実を伝えた方がよかったかもと思ってしまうけど、それはそれで十里亜は壊れてしまった気がする。だって接することが少なかったとはいえアンナが死んだときに死を理解出来なかったのに、接することが多くて大好きだった父親が死んでしまったことを理解出来るとは思えない。その時に死を理解させてしまったら、十里亜が壊れてしまう可能性も十分にある。十里亜は良い意味でも悪い意味でも純粋だから。

そうはわかっていても阿賀太がヒロインを責めたくなってしまうのもわかる。十里亜がママになってしまったのも自分たちが吸血鬼ハンターになってしまったのもヒロインが原因だから。本当は十里亜が狂い始めてるときに『おままごと』につきあっていた自分がもしかしたらとめられたかもしれない。でも、そんな余裕は阿賀太にはなかったと思う。一家の大黒柱が亡くなって、でも妹も弟も高校生で子どもで、自分が大学を辞めて働いて家族を養うしかない状況。阿賀太は父親が死んだときに泣かなかったんじゃなくて、泣けなかったんじゃないかな。父親は心の弱い人だと思って自分は違う、心が強いんだと思わないとやってられなかったんじゃないのかな。個人的には強くあろう、強くなきゃいけないと思う気持ちが強ければ強いほど固定観念が出来上がって逆に心は弱くなってしまうと思う。阿賀太は段々と弱くなってしまって、自分にも至らなかったところはあったけど、俺は家族全員が一緒にいられるよう頑張っているのにそれなのに自分が悪いなんて耐えられないと思ったんじゃないのかな。ヒロインのせいにしたほうがよっぽどラクだったんじゃないのかな。ヒロインをおかしくなってしまった『架谷野家』に縛り付ける理由にもなるし。

阿賀太は本当に家族が好きなんだと思う。もう誰が欠けることなく全員一緒に暮らしたかったんだと思う。自分の片目を失っても。クスリのせいで異常な精神状況であったとしても自ら片目を刺すなんて相当な恐怖だもん。それでもその選択をしてしまうくらいヒロインが欠けてしまうことが怖かったんだろう。

 

あーーーーーーーーーやっぱり悲しいよ、阿賀太。

阿賀太が泣けて、すがれて、弱音を吐ける存在がいてほしかった。

俺は長男だからっていう思考は呪いだよね。俺が支えなきゃって思っちゃうもんね。特に男性だと弱いところを見せるのなんて恥だって思っちゃいがちだもんね。でもヒロインも霧秋も阿賀太がツラいって言ったら支えてくれたと思うよ。だって大事な家族であることは変わりないもん。経済的にも精神的にも支えてくれるから大事なんじゃなくて、家族だから掛け値なしに大事なんだと思うよ。私は家族ってそういうものだと思ってる。

 

プレイしてるときは先が気になってしまって中々感情移入しないんですが、こうやって振り返ると本当に悲しいシナリオだと思います。

正直どのEDも救われないからね!でもヒロインを主体に考えるとルルと二人で生きていくED4とローズ達とアメリカに行くED1がハッピーEDにあたるのかな。真実に気づかなかったらの話!

 

阿賀太はいっそ捕まったほうがいいと思う。『吸血鬼』をハントしなくていい状況に陥ったほうがいいんじゃないのかな。例えそれが家族がバラバラになることになっても阿賀太のことを考えたらそのほうがいい。

ていうか阿賀太絶対両目あるほうがかっこいいよ!目潰さないほうがよかったよ!私そっちのが好きだよ!

 

あとやっぱり阿賀太はヒロインにうっすらでも恋愛感情があったんですかね?霧秋が禁忌の匂いがするとか言ってたから、ちょっと特別な感情があったのかもしれないんだけど私にはそれを感じられませんでした。でも口移しでヒロインにクスリを飲ませるシーンは悶えました。あと五錠くらい飲ませろよ!とヒロインには悪いけど思っちゃいました。流石今作のエロ担当。もっとやれ!!!!!!!!!

 

ED1後、本当に阿賀太はヒロインを探しにきそうですね。で、見つかってなんとかヒロインを奪還できたら地下に閉じ込めて逃げられないように四肢切断とかやりかねない。逃げたら殺すとは言ってたけど結局は殺さないんじゃないかなぁ。霧秋もママも許さないと思うし。

 

阿賀太のことはエンドレスで考えられそうなので攻略対象の二人に焦点あてます。

 

ローズ

  • 吸血ものをあまり見ないせいか、人間と友好関係を築いて人間を殺さないことを信条として掲げている吸血鬼は初めて見たのですごいいいなと思う。もっとローズに視点をあてて恋愛要素を強めたものも見てみたい。絶対萌えられる自信がある
  • ボニカがローズに信頼をかなり置いている理由とかもっと掘り下げてほしかった。ボニカはかなりクセのある人間なのでローズのことを一目置いている理由を知れたら更に面白かった気がする
  • 全キャラの中で一番可愛いキャラ。気にいった人の首元からしか血を吸わないってこだわりはすごくイイ!きゅんとした。是非吸ってくれ!

 

ルル

  • ワンコ可愛い
  • ED5での「俺、何か気に障るようなことしましたか? すみません、思い当たらないけど……謝っておきます」ってセリフが一番好きです。最高にクレイジー!
  • ヒロインは狂っていく家族の中でルルが傍にいてくれたのは本当に救いだったと思う。正直ルルには報われてほしい。ED1後でもローズに負けるな!

 

以上です。

……違うんです。私別にローズとルルに興味ないとかじゃないんです。

阿賀太が好きなだけなんです!!!!!!!!!!!

 

シナリオはとっても面白かったんですが、結構誤字脱字やセリフ主の表示ミスが目立つのが勿体なかったです。でも阿賀太というキャラを生みだしてくれてありがとう!!ラシさんとかがみやさん!!!!

 

ミミの手紙が法の下に届きますようにと書かれてるにも関わらずに阿賀太が見つけてしまったことがこの作品の報われなさを表していると思います。

最後が最初に繋がる、またはその逆の展開は「あー……そういうことだったんだね」となる感覚が大好きなのでこれはしてやられたと思いました。

それにED5で出てくるキャラ紹介文にも出てくる阿賀太の「羽ばたけ鞠愛! ぶっ飛べ鞠愛! 架谷野家の茨をぶっちぎるんだーッ!」という言葉は、ヒロインにとってハッピーEDであるED1で実際にヒロインが行います。ハロウィンの夜空を羽ばたいて、架谷野家の茨をちぎってハンターにならなきゃいけない未来や他の家族が『吸血鬼』をハントする現実から開放されます。ということはもしかしたらちょっぴり阿賀太はヒロインをこの狂気からは逃がしたいって気持ちもあったのかもしれませんね。そういったジレンマもあったのかもしれない。

 

はい、もう何か感想つってんのに阿賀太しか言ってないのでもう〆ます!

面白かった!!!