どきどきにやにや

二次元でもなんでもイケメンにどきにやしたい女です

Sカレ、Mカレ(ネタバレ感想)

恋愛ビジュアルノベルゲーム Sカレ、Mカレ

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http://www.ashinaga.sakura.ne.jp/skaremkare/

 

今回はフリー同人ゲームとは思えないほどの完成度が非常に高いSカレ、Mカレをプレイ致しました!

 

内容もあまり見ず、絵が綺麗だなぁと思って落としたはいいものの「Sな人、Mな人が好き!」という気持ちをあまり強く持っているほうでもなく、落とした後にあらすじを読んで「これ絶対主人公うじうじ系じゃん…」と勝手な予想をたてて、暫く解凍もせずにいつかやろうとパソコン自体放置していたのですが、つい先日恋愛ゲームしたいなぁと思ってインストールしました。

 

で二日かけてフルコンプしたのですが……

さっさとやっときゃよかったな

この一言につきます。

 

 

絵も綺麗だし、フルボイスだし、立ち絵にアニメーションついているし、これが無料でできるっていい世の中になったなぁと思ってしまうくらい本当にクオリティが高いのですが、やっぱり一番推したい点はシナリオの面白さヒロイン・小栗咲希ですね。

 

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この作品にはいじめ描写があるのですが、しょっぱなから咲希ちゃんがいじめられているシーンで始まります。

そのいじめの内容がリアルかつ本当に恐ろしいもので軽く引きました。

暴力シーンは一切ないのですが全編通していじめの内容がエグイです。

まじ勘弁しろよ…と正直何回も思いました。

あーもう読みたくない。やだやだ。やめてくれーと思いながらも途中離脱しなかったのは、先が気になったからとしか言いようがありません。

 

主人公の砂川湊は少女マンガに出てきそうな王子様系の人気者で、ヒロインの咲希ちゃんは過去の傷により目立たないよう気をつけて、ひっそりと学校生活を送っている大人しい女の子です。

 

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それぞれの立ち位置だけを見ると両極端に存在し、あまり接点のなさそうな二人ですが蓋を開けてみるととっても大きな一つの接点があるのです。

それは同じ中学出身という接点でした。

 

二人とも中学時代にいい思い出がないのでお互いの過去のことは内緒にしようと約束を交わし、そこから話は進んでいきます。

 

途中の選択肢で湊の性格をSにするかMにするか選ぶことができ、SルートMルートに入ってからの展開は全く異なるものになります。

 

簡単に私の主観で言ってしまうとSルートは主人公二人だけにスポットが当たっており、Mルートはサブキャラクターにも多少スポットが当たっているので周囲の人間関係も把握することができるかなと思います。

 

私はSルートをしてからMルートをしたのですが、Sルートで割と満足感を得てしまってMルートべつにいいかな…と思ったのですがフルコンプしないとおまけが開かない仕様になっており、おまけ見たさにMルートをしたのですが、いざやってみると指が止まらない止まらない。さっきまで感じていた満足感どこいったよ。

 

それほど先の展開が気になってもっともっとと貪欲になれるシナリオは本当に久しぶりで、本当に楽しかったです。

恋愛ゲーム好きな人には是非一度プレイしていただきたいですね!

 

以下、更にネタバレを交えた感想になります。

そして妄想多めです。ご注意ください。

 

 

 

 

 

Sルートの感想

 

Mルートを終えてからSルートを思い返すと、S湊ってわりと木内はいってね?と思ったのが素直な感想です。

木内みたいな強引さはないですがS湊には高校デビューしてからモテにモテた経験からの自信があるので、咲希ちゃんと二人の時は割と調子こいてます。

 

とくに執事服を作る為の採寸時に上半身裸になろうとした時が一番わかりやすく調子のっていると感じました。咲希ちゃんは既に湊に惚れているので素直に照れてくれますが、それ他の女にやったら一瞬にして広まると思うよ。

 

「この前、砂川君の執事服作るときに採寸したんだけど」

「あ、そーなん? 採寸とかめっちゃ密着できるじゃん。いいなー」

「それはまじで役得だったんだけどさぁ、ブレザー着てたらちゃんと測れないじゃん」

「うん」

「だからさぁ脱いでって言ったらさぁ」

「うん」

「シャツも脱ごうとしたんだけど、砂川君」

「wwwwwwwwwwwwwww」

「やっぱ笑うよねwww ブレザーだけでいいよって言ったら、そうなの?とか言ってさwwww」

「え、まじで?www 砂川君、実は天然なの?wwww」

「わかんないけどさぁwww 普通脱がないってwww」

「あーやばいwwww 笑いすぎて涙でてきたwwww」

「やばいよねwwww でも急に脱ぎだすから普通に照れたわwww 一瞬だけ彼女気分だったしwww」

「何やるつもりだよwww いっそ何も言わなかったらよかったのにー」

「勿体ないことしたわ、まじでー」

 

で、この話広まって湊気に入らない勢は裏でこっそりと露出狂ってあだ名つけると思うよ。

 

S湊は計算高いところがあるので咲希ちゃんだから、そんなことをしたのもわかるんだけど調子こきポイントは非常に高かったです。

 

更に咲希ちゃんが痴漢にあったあと、追いかけたシーンでイラつき思わず素を出したシーンで湊が咲希ちゃんに怒鳴って「俺が送るって言ってんだから、黙って送られてればいんだよ!!」みたいなことを言いますが、これも調子こきポイント高いですねー。むしろ木内通り越して南方ポイント高いわ。

 

この言葉は勿論咲希ちゃんが心配だから家までしっかりと送り届けたいという気持ちがあってのことなのですが、その気持ちの中に俺に送られんの嫌なわけじゃねーんだろ、じゃあうだうだ言ってんじゃねーよという湊の自分勝手な感情も含まれていると思います。

 

それって南方、木内と似ているよねと思ってしまいました。

 

ただ南方、木内は自分本位な部分がたくさん見受けられますが、その点湊は咲希ちゃんと関わるようになってから咲希ちゃんに対する行動の主軸のほとんどが咲希ちゃんなのでその違いは大きいよねとも思います。

私も調子のりメンズの中で誰と付き合うかって言われたら迷いなく湊を選びます。湊がいちばん幸せにしてくれそう。

 

あとS湊で好感度が高かったのは、正解の選択肢が全てその時、私が咲希ちゃんに湊がしてほしい行動だったのが本当に良かったです。

 

一番よかったのは咲希ちゃんの噂が流れたときに自分の嘘を話したところですね。

しかもわざと自分の印象のほうが悪くなるように言った点は、やり方はどうであれ男見せたなと思いました。いい方の自己犠牲だったと思います。

 

S湊は本当に少女マンガのヒーローみたいなやつでしたね。

そら咲希ちゃんすきになっちゃうわと納得です。

 

あと湊の描写が根っからのモテ男じゃなかったのがよかったです。

調子のこきかたがあからさまに高校デビュー感出てたなと思いますね。

見た目変えて、スクールカースト上層部に入れて、女子の態度も今までと違って最初は周囲見つつ大人しくやってたと思うんですが、ふと素の自分出ちゃって「やべ!」と思ったのに周りは全然気にしてなくて、その時に「あぁ、意外と言っちゃっても大丈夫なんだなぁ」って思っちゃって…みたいな湊の過去が見える…!!私には見える…!!!

 

Sルートの中で一番好きなシーンは早朝の教室で湊と咲希ちゃんが軽く修羅場ったときにヒロインビューで湊に手だか腕を掴まれたときに咲希ちゃんが心の中で「そのごつごつした手も…好き」みたいなことを思うんですが、この一文が本当に今作一好きで、シナリオ書いた人天才すぎるでしょと悶えました。

 

咲希ちゃんはこの前にカオリらに湊に近づくなと釘を刺されているので、一緒にいるとまずい状況だったのですが(しかも二人っきり)湊もこのとき割とプンスカマンで「嫌ならもっと抵抗しろよ! 元カレ(南方)にしたみたいに!」と言うのですが咲希ちゃんは湊が好きなのでそんなことできません。

 

湊を諦めたいけど、怒ってるくせに自分を引きとめる力が傷つけないような力加減であることも、自分に触れてくるその手も、勝手に避けたのにまた接触しようとしてくるところも全部好きに繋がっちゃう感情がリアルすぎて心を揺さぶられました。

 

本当に好きになっちゃったらそうなっちゃうよね。ていうかそれだけもう湊のこと好きだったんだね。って思ったら、このシーンはせつなすぎました。

 

 

 

Mルートの感想

 

湊の声の演技はMの方が自然で好きです。

おまけにある湊役の緋乃さんのキャストメッセージを聞くと何故自然だったのかも納得がいきました。

 

MルートはSルートに比べ、カオリやエリカが咲希ちゃんに何かすることもなく木内がホラふくこともなく穏やかです。大円団感があるのは間違いなくMルートでした。

 

Sルートではあまり出てこなかった木内がMルートでは咲希ちゃんを口説くために結構な頻度で登場します。他にも山中とカオリのやりとりやお姉さんの登場回数も多くて、湊や咲希ちゃんの周囲との関係性を知ることで、よりメイン二人のキャラクター像を固めることができたように思います。

 

湊がお姉さんと話してる中で「好きとかがよくわからない」といったことを喋るのですが、それも高校デビューをしてモテ生活を送るようになったのに誰とも付き合う気がなかった自然な理由にもなっていて自分の中でとても納得いきました。

 

中学3年生の冬、砂川 湊(すながわ みなと)はクラスメイトの小栗 咲希(おぐり さき)がいじめに遭っている場面を偶然目撃してしまう。
しかし、人付き合いが苦手でほとんど一人で過ごして来た湊は、ただ泣きじゃくる彼女を見守るだけで何も出来なかった。

自分を不甲斐なく思った湊は変わろうと決意をする。

 

公式からあらすじの一部を引用させていただき、何を言いたいかというと高校デビューのきっかけは咲希ちゃんにあるのですがこの時点で湊は咲希ちゃんがある意味特別な存在ではあったとは思いますが恋愛感情は抱いていないはずです。

 

なのに何で彼女作らないのかなぁとSルートで地味に気になっていたのでこのやり取りがあって個人的にモヤモヤ消えてよかったです。

 

ただこれはMルートの湊なのでSルートの方は、あまりにも女子の態度が変わりすぎて異性に失望を抱いたと勝手に私は妄想で補完しました。

 

Mルートの咲希ちゃんはSルートに比べ積極的で、湊は割と受け身です。

S湊と比べて性格の良さは出ますが、恋愛的な目で見るといいやつ止まりだったり、優しすぎて物足りなさそうです。

 

少女マンガで例えるとS湊はヒーロー役でM湊は当て馬っぽい感じです。

あくまで私のイメージですが。

 

あと湊の首筋にある三連ほくろですが、「あーこれね。あれでしょ。その特徴的なほくろで高校デビューばれる系でしょ。わかるわかる」と勝手に予想してみたものの全然違いました。

咲希ちゃんがあの時の男の子が湊であるとわかるきっかけに使われるのですが、まぁどう考えてもその展開の方がロマンチックでいいよねと反省しました。

 

湊を不幸にしたい感情が強すぎましたね。というものの実際Bad end7みたいな展開になると胸糞すぎてつらかったのですが。

これはおまけでお姉さまが咲希ちゃんに言った「反応がよくて、ついついいじわるしたくなっちゃうのよね」に近い感情なのだと思います。

そういうことにしておきましょう!

 

 

 

木内について

 

 

Mルートの感想が薄いのは間違いなくこの男のせいだと思います。

結論からいうと私この男、割と好きです!

 

Sルートでは影が薄く、立ち絵が出たのはヒロインビューも含めて二回くらいだったと記憶しています。しかも完璧プライドだけ高いヤな男でした。

 

Mルートでも自信LV.カンストしてるなこの男って感じで木内の本質は変わってなくて、咲希ちゃんにやんわりと昼飯を断られると「あいつ照れてるな」と幸せな勘違いを起こし、はっきりフラれられたなら「砂川に俺の何が劣ってるんだよ!」と取り乱し学年でトップレベルでモテる男とは思えないくらいの小物感を見せてくれました。

 

しかしSルートの木内よりは幾分か性格がよくて、終盤湊を呼び出して今までの謝罪をするという成長を見せました。Mルートは木内もカオリもエリカも大人しいので割と優しい世界なのです。

でも謝罪のタイミングは結構唐突だったので、その意図を読み取れなかった私には木内の独りよがりさを感じるとともに現実世界で過去に聞いた愚痴を思い出しました。

 

「この前Aに謝られたんですけど、許せそうにもなかったんで“うん”だけ言ったんですよ。したら次の日から今まで通り普通に話しかけてきて、ほんとイラつくんですよね。なに許された気になってんだよって話じゃないですか。仮に“いいよ”って言ったとしても、そんな何もなかったように振舞うなよって感じでしょ。もっと様子見ながらこいよって正直思うでしょ」

 

まぁこの意見には特に肯定も否定もしなかったんですが是非Aさんと木内にはこう考える人もいるんだよってことを知ってほしいですね。

木内は、よっしゃ100許された!俺真っ白の身だわーと思ってるわけないんですがあのタイミングの謝罪は「はい。謝った。おーわり」感があったのでそう思いました。

 

でも今こう書きながら思ったんですが、木内は湊や咲希ちゃんの友だちではないので逆に謝るタイミングは今しかない!と思ったのかもしれないですね。

 

湊と人気を二分していたり、昼休みになると毎度女をはべらかして飯を食っていたとしても木内はやっぱり当て馬なので湊や咲希ちゃんに比べて情報が少ないので色々と想像の余地があるので妄想狂としてはありがたいです。

だってこの感想、9割妄想。

 

Mルート終わった時点でも特に木内に興味はなく、湊はMルートの方が好感持てたけど咲希ちゃんはSルートの方が好きだなぁ…と思うくらいだったのですがアフターストーリーのサイドを見れば思考は何者かに仕組まれたかのように木内一色ですよ。

 

アフターストーリーは恐らくS、Mルートどちらの後でも大丈夫なように作られているとは思うのですがカオリと湊の仲直りが主軸となっているので私はSルートの後と見なしました。Mルートのカオリは湊を切り捨てそうにないし、あの小競り合いの後にもすぐに謝ってそうだったからです。

ただ木内の咲希ちゃんへの、のめりこみ方的にはMルートっぽかったですがそれは置いておきます。

 

咲希ちゃんへの執着心はきっと木内にとって恋愛においての初めての挫折だったと思います。多分本当に咲希ちゃんが自分を拒否していることに気付いてなかったということはなかったと思います。しかしそこで過去の自分のモテ経験を盾にしたんでしょう。

「俺になびかない女はいない。押せばいける」 こう思ったに違いないでしょう。

しかし咲希ちゃんはなびきません。元カレに似ている木内はそもそも恋愛対象外ですし、何より彼女は湊が好きなのでなびきようがありません。風一つございません。

木内はそんなこと一ミリも知らないので押します。そして押しまくりながら木内はたくさん咲希ちゃんのことを考えたと思います。「最初はこの女ガードかてぇな」から「どうすればこの女なびくんだ?」と考え、よく咲希ちゃんを観察して湊を好きだと気付いたのかと思うと、もう。もうだめですね。当て馬好きにはたまんねぇっすよ。

ホラも最低なんですけど、どんだけテメェ自分のこと大事で好きなんだよって感じなんですけど、これも咲希ちゃんが湊を好きなのに気付いて「は? 何で彼女持ち好きなんだよ。俺好きっつってんのに何でそこいくんだよ」みたいなこと思って、もしそう思ってるときに咲希ちゃんの噂が耳に入ったら「くずじゃ~ん」ってなって「こんなくずに俺フラれたん? それやばくね? 俺の枯渇に関わるわ。あ、あれ? 俺フラれたっけ? 俺がフッたんじゃね? そんな気してきたわ。うんそう。多分そうだわ。そうに違いねぇ」って記憶改ざんしてしまったのかもしれないですね。いや、100ない。けど私の中ではそうしてる。

 

こんだけ長々と書いて結局何が言いたいかというと木内は恋愛がヘタクソ

 

モテ野郎で今まで自分からグイグイいく恋愛をしていない。もしくはそのやり方で成功してしまっている過去があるので女の落とし方がワンパターンなのでそのやり方では木内が飽き飽きしているタイプとしか結ばれない可能性が非常に高くなっていると思います。

しかも逃げる女には間違った感じで執着を見せちゃうとこからして恐らく本気になれば本気になるほど心の余裕がなくなっていき、元々ない相手への思いやりが更に減ってしまうのかもしれません。

 

ですがカオリに対しては優しかったですね。これね、絶対ねカオリに興味がないからですよ。しかもカオリが自分に興味ないのもわかってるからですよ。

湊かエリカどっちかちょっと忘れてしまったのですが「あれ絶対自分だったら解決できるって根拠ない自信あったんだよ」という木内って人となりを表している一言があり、もうそれは木内というキャラの崩せないアイデンティティだと思ったので、それをうまく生かしながら木内が恋愛的な意味で幸せになるためにはまず性別を捨てての人対人という付き合いから始めないといけないと思いましたよ!

 

カオリは何のかけ値もない木内の優しさや傷心中やらきっかけを作ってくれた恩人やらなどの複数の条件が重なって木内いいなぁと恋心が芽生え、恐らく木内に他人にも心はあるんだよってカウンセリングを施してくれ、いい関係になって海に一緒に行ったのだと思います。

でも最初っからカオリが木内いいなぁと思ってたら木内のあの優しさは絶対に発生しなかったと思います。

 

つまりSカレ、Mカレのゲーム本編中での木内は自分が興味なく、かつ相手も自分に興味がない相手としか恋愛できないっていうことだと私は解釈しました。

 

いやぁ木内まじでおいしいなぁ。咲希ちゃんの次にキャラとして好きです。

エリカとのやりとりもめっちゃ好きでした。

王道かもしれないですが、カオリじゃなくてエリカとくっつく感じでも面白かったかもしれない。でもそれだと尺が長くなるのでやっぱなしですね。五年くらいかけて仲良くさせないと無理だろあいつら。

 

まって木内のとこめっちゃ長くなった。

 

 

まとめ

 

木内くんがとてもいいキャラをしており、妄想狂の人は絶対咲希ちゃん好きになると思うので是非皆さまやってみてください☆